FILMS|公開作品

カルメン&ロラ

Carmen y Lola

監督:アランチャ・エチェバリア/出演:ロシー・ロドリゲス、サイラ・ロメロ、カロリナ・ジュステ/2018年/スペイン/ドラマ/103分

マドリード郊外にあるロマのコミュニティーで暮らすカルメンは、他の多くの女性たちと同じように、適齢期になったら結婚して母になる人生を歩もうとしている。一方、ロラは同じロマ出身でありながら、大学進学の希望を捨てず、鳥の絵を描きながら自立した女性になることを願っている。ロラは町で出会ったカルメンに強く惹かれるが、カルメンはロラの従兄の婚約者だった…。
古い慣習に縛られる閉鎖的なロマのコミュニティーで生きる若い女性の禁断の恋をストレートに描いている。ロマのリアルな生活や音楽・ダンスも見どころのピュアなラブ・ストーリー。

I Hate New York

 

監督:グスタボ・サンチェス/出演:アマンダ・ルポール、クロエ・ズビロ、ソフィア・ラマール、T・ デ・ロング/2018年/スペイン/ドキュメンタリー/75分(※『アワ・マン・イン・トーキョー ~ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタ』と同時上映)

鏡に囲まれた部屋で暮らす妖艶なドラァグクイーン、男装の前衛アーティスト、生き辛いキューバを脱出しニューヨークにやって来たトランスジェンダー、HIVと闘う元パンクバンドのボーカリスト…。ニューヨークのアンダーグラウンドシーンで生きるLGBTQの人々を2007年から2017年までの10年間取材し、舞台上で見せる華やかな世界とは違う裏の素顔、彼らが経験した差別や病気への恐怖、苦悩に迫ったドキュメンタリー。スペイン出身のグスタボ・サンチェス監督のデビュー作で『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のJ.A.バヨナ監督が製作総指揮を務めている。

アワ・マン・イン・トーキョー ~ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタ

OUR MAN IN TOKYO (THE BALLAD OF SHIN MIYATA)

監督:アキラ・ボック/制作:全米日系人博物館(ロサンゼルス、カリフォルニア)/出演:テックス・ナカムラ、ルベン・ゲバーラ、ケッツァル、ルイス・J・ロドリゲス、デイヴィッド・W・ゴメス、エル・ハル・クロイ、チカーノ・バットマン、ジョー・バターン、ヘクター・ゴンザレス、宮田信/2018年/米国/ドキュメンタリー/18分(※『I Hate New York』と同時上映)

人口の約半分がラティーノを占めるロサンゼルスのなかで、文化・社会的拠点であるイーストLAの音楽を日本に20年以上に渡って紹介してきた東京のレコードレーベルのオーナー、宮田信の奮闘と執念について描いた短編ドキュメンタリー。イーストLAとの個人的なつながり、多様かつ本物のチカーノ文化を日本に紹介するにあたっての喜びと困難、太平洋の両サイドにおいて既成概念を打ち壊そうとする宮田の意識的な努力について探っている。グラミー受賞者であるケッツァル、大人気のチカーノ・バットマンやエル・ハル・クロイ、ローライダーを魅了してきたジョー・バターンなど多数のアーティストたちが登場する。

アブラカダブラ

ABRACADABRA

監督:パブロ・ベルヘル/出演:マリベル・ベルドゥ、アントニオ・デ・ラ・トレ、ホセ・モタ/2017年/スペイン・メキシコ・アルゼンチン/ドラマ/96分

カルメンは夫のカルロスを連れ甥の結婚式に出席。カルメンの従兄ペペの余興の催眠術ショーを茶化してやろうとカルロスは被験者を買って出る。一度はインチキだと笑い飛ばしたものの、まもなくカルロスの性格が一変。サッカーにしか興味のないダメ夫から家事に勤しむ優しい夫へと変貌する。妻カルメンは夫の身に何が起こったのか突き止めようと奔走する。『天国の口、終りの楽園。』で知られる女優マリベル・ベルドゥと個性派俳優アントニオ・デ・ラ・トレの演技が光るサスペンスタッチのヒューマンコメディ。監督は『ブランカニエベス』のパブロ・ベルヘルが務めている。

※本編上映開始後21分~23分頃に光の点滅が続くシーンが含まれています。まれに気分が悪くなるなどの不快な症状が出ることがあります。当該シーンになり、気分が悪くなった際は、スクリーンから適度に目をそらされるか、直視し続けないことをお薦めします。

相続人

Las herederas

監督:マルセロ・マルティネッシ/出演:アナ・ブルン、マルガリタ・イルン、アナ・イバノバ/2018年/パラグアイ・ウルグアイ・独・ノルウェー・ブラジル・仏/ドラマ/97分

外交的なチキータと部屋で絵を描いて過ごすのが好きなプライドの高いチェラは、長い間生活を共にしてきた熟年のレズビアンカップル。二人は生活のため、チェラが親から相続した高価な調度品を売りながらなんとか生計を立てている。ところがチキータが逮捕されたことでチェラの生活は一変。一人で生きることを余儀なくされたチェラは、近所の裕福な老婦人のための運転手を始める。悩み多き中年女性の心の揺らぎを繊細に描いた心理ドラマ。パラグアイの新鋭マルティネッシ監督は長編初監督作となる本作で2018年ベルリン国際映画祭アルフレド・バウアー賞と女優賞を受賞した。2019年開催の米国アカデミー賞外国語映画部門パラグアイ代表作。

夏の鳥

Pájaros de verano

監督:クリスティナ・ガジェゴ、シーロ・ゲーラ/出演:カルミニャ・マルティネス、ホセ・アコスタ、ナタリア・レイエス/2018年/コロンビア・メキシコ・仏・デンマーク/ドラマ/125分

マリファナの栽培・密輸産業が暗躍していた70年代後半のコロンビア。北部ラ・グアヒラの砂漠で暮らす先住民族ワユーの一族は、マリファナの密輸で冨を得ようとする者と、昔ながらの伝統的な暮らしを続けようとする者たちとで激しく対立する。コロンビアの荒野を舞台に、麻薬取引によって先住民族の文化・伝統が壊されていく様を描いた社会派ドラマ。前作『彷徨える河』が世界各国で絶賛され、コロンビア史上初の米国アカデミー賞外国語映画賞候補となったシーロ・ゲーラ監督と、プロデューサーのクリスティナ・ガジェゴ夫妻が共同で監督している。2019年開催の米国アカデミー賞外国語映画部門コロンビア代表作。

ローマ法王フランシスコ

Pope Francis:A Man of His Word

監督:ヴィム・ヴェンダース/出演:フランシスコ法王/2018年/スイス・バチカン市国・伊・独・仏/ドキュメンタリー/96分

『ベルリン・天使の詩』『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』など、数々のフィクションやドキュメンタリーの名作を手掛けてきた巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が、バチカン市国の協力のもと、フランシスコ法王とのインタビューを敢行。アルゼンチン人として初めて法王となったフランシスコ法王が、世界が直面している貧困、環境問題、社会問題など、さまざまな質問に対して真摯に応えている。フランシスコ法王に対するヴェンダース監督の尊敬と愛情が詰まったドキュメンタリー。

アナザー・デイ・オブ・ライフ

Another Day of Life

監督:ラウル・デ・ラ・フエンテ、ダミアン・ネノウ/声の出演:ミロスワ・ハニシャウスキ/2018年/ポーランド・スペイン・独・ベネルクス・ハンガリー/アニメーション/86分

1975年のワルシャワ。ベテランのジャーナリスト、カプシチンスキは、ポルトガルから独立して間もないアンゴラの首都ルアンダへ取材のために赴任。そこでカプシチンスキは、混乱を極めるアンゴラの実情を目の当たりにする。原作は、現代のジャーナリズムの巨人とも評されるリシャルト・カプシチンスキが、アンゴラ内戦の3カ月間を記したノンフィクション「Another Day of Life」。監督のラウル・デ・ラ・フエンテは『Minerita』で2014年のゴヤ賞短編ドキュメンタリー最優秀賞を受賞している。

エルネスト

 

監督:阪本順治/出演:オダギリジョー、永山絢斗、ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ、アレクシス・ディアス・デ・ビジェガス/2017年/日本・キューバ/ドラマ/124分/配給:キノフィルムズ

日本とキューバの合作映画『エルネスト』は激動の時代を駆け抜け、祖国ボリビアでの抵抗運動に身を投じた“日系二世の若い戦士”の鮮烈な知られざる生涯を描いた作品である。ゲバラからファーストネーム「エルネスト」を授けられ、戦士名〈エルネスト・メディコ〉と呼ばれ、ボリビアの山中にて25歳で散った青年、フレディ前村。短くも決然と濃厚な命を全うした彼は1941年、鹿児島県出身の父とボリビア人の母のもと生を受けた。フレディは医師を志しキューバの国立ハバナ大学へ留学。そこでキューバ危機のさなか、自分の運命を変えるチェ・ゲバラと出会い、人間的な深い魅力に心酔した彼は、やがて軍事クーデターから祖国を解放すべくゲバラの組織する部隊に参加、社会の不平等是正と貧困の根絶を胸にボリビア軍事政権へと立ち向かっていく。

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