第14回ラテンビート映画祭｜LATIN BEAT FILM FESTIVAL 2017

EL GATO（雄猫）、LA GATA（雌猫）、LOS GATOS（雄猫たち）、LAS GATAS（雌猫たち）…

スペイン語で「猫」を表す言葉は、性別や数によって変化します。
こうした多様性は、今回ご紹介するフィクションやドキュメンタリーに見て取れる、ラテン世界の多様性にも通じています。

今年のイメージキャラクターの“猫”は、一見、架空の生き物のようにも見えるでしょう。人間を含む様々な動物の特徴を帯び、曖昧な色をしています。でもこの猫は、現実の世界を体現した存在でもあります。

「J:ビヨンド･フラメンコ」の多彩な舞踊音楽や、２人の東方人が紡ぐ「ドス･オリエンタレス」のジャズのように、混血の猫。「スキン～あなたに触らせて～」の男女や、歌手「チャベーラ」のように、性別を超えた猫。
「７日目」のメキシコ人たちのように、国境を超えた猫。
「サミット」、「Most Beautiful Island」の登場人物たちのように、唯一無二の存在であり、孤独で、時には凶器をはらんだ猫。
あるいは、「ネルーダ　大いなる愛の逃亡者」の詩人のような猫。
ミュージカル映画「ホーリー･キャンプ！」の女性たちや、オペラ「ベル･カント」を繰り広げる人々のように、夢見がちでダンスが好きな猫でもあります。
今年は音楽作品が盛りだくさんです。そう、皆さんがゆったりと踊れるように…。

メインキャラクターの猫と同様、多様な顔を持つ登場人物たちが作品を彩ります。それぞれのルーツは関係ありません。彼らはただ、幸せを探し求めているのです。また、東京国際映画祭との5回目のコラボレーションとして、マカロニ・ウェスタンの名作を巡るドキュメンタリー、「サッドヒルを掘り返せ」を共同上映いたします。色々な観点で、私はこの猫にとても親しみを覚えます。何より私はマドリードっ子。スペインでは、マドリードの人のことを、「GATOS（猫たち）」と呼ぶのです！

マドリード風のラテンビート映画祭2017を、ぜひお楽しみください。
Besos,

プロデューサー/プログラミング・ディレクター
アルベルト･カレロ･ルゴ